レ・ミゼラブログ
エロゲ感想記(休憩中)

謎の彼女X13話

最終回 第13話「謎の彼女と彼氏」
ここまで原作の分解&再構成がうまいアニメは久々に見た気がする。実に魍魎以来。そもそも知ってる原作がほとんどないっていうのもある。
原作を単に読み込んだだけではここまではできない。なんていうか、好きなんだろうなあ。
じゃないと締めの部分で原作を超えるセリフを持ってくるなんて絶対できない。


13話では、謎の記憶と謎のお姉さんの2つの話が同時に進行していて、AパートBパートで別々に分けているわけじゃないんだよね。そのために謎のお姉さんの締めのセリフ「私将来あんなお姉さんが欲しいなーなんて思っちゃった!」がカットされてるんだけど、アニメの締めでそれを十分代償するセリフが用意されているからこそできることなわけで。そのへんの手腕は本当に凄い。


細かく見ていくと、桜餅は自然でよかったかな。卜部のお供えの肉のベーコン巻はどうかと思ったけど、一生懸命手作りしたっていうのはいい。桜餅に関してはお姉ちゃんが椿のセリフをくみ取れないのも笑えてよかった。


墓参りの卜部の登場シーンのBGMはややギャグっぽくなってたけど、個人的には卜部の誠実さが伝わるBGMの方がよかったかな。まあでもそれはあとあとわかることだし、その時の椿の心情からすると意表を突かれた感じのBGMになっているのは自然なことなのかも。


墓参りで卜部のしゃがみ方が原作と違っていたのはやや残念。原作の、片腿を上げて片腿を下げる、侍や忍者みたいなしゃがみ片が古風な感じで、この時の卜部の雰囲気にぴったりだったんだよね。


卜部がめかしこんできた理由。「お墓とはいえ、彼氏のお母さんに会いに行くんだから、できるだけかわいい女の子に見られたらいいなあと思って、この服を着てきたのよ」
今日日日本にこんな純粋で誠実な子がいるだろうか。自分が謎カノの中で一番好きなエピソードかな。他のお話を全部入れてもかなり上位にくるくらい好き。


涎の交換シーン。原作では一方的に椿の涎を卜部の指につけて卜部が舐めるだけなんだけど、アニメではあえて交換。ここは一つの良改変。椿の記憶を受けた卜部が涙を流し、それに感応して椿も涙を流した。何気に原作8巻の諏訪野編のエピソードも入れてきてるし。
クロスシーンは一つの絵として見るべきかな。一つの婚姻的な儀式として見てもいい。クロスさせる必要はないけど、なんとなくクロスさせてもよかったかもしれない的な。


流涙シーン。原作では「お母さんが亡くなった時、小さい頃のあなたは、やっぱり泣いたのよ」→日課であっさり終わる。いやこれはこれで凄いいいシーンなんだよ。原作既読者の多くがこれこそ最終回にふさわしいと感じるエピソードなんだから。ただアニメはそれを超えてきた。「あなたは泣く以上に、たくさん笑っていたのね。それは、お母さんとお父さんとお姉さんのおかげ。私も将来、あなたにとって、そんな存在になりたいわ」このセリフは凄いよ。謎のお姉さんの締めのセリフを犠牲にする価値が十分にある。それどころか、その締めのセリフの内容を包括、凌駕している感すらある。この改変は原作者にはできないし、このスタッフじゃないとできないと思う。このセリフは中の人も凄くいい演技をしてるんだよね。声に関しては最後まで違和感はあったけど、嫌な違和感じゃなかったし、大事なシーンは本当にいい演技をしてたと思う。


ちなみに流涙のあとの日課はアニメではなし。涎の交換でもう済ましてるからね。


最後は「もうすぐ春だわ…」のあとに椿の母への報告モノローグで終わる。その言い方が1話のモノローグといっしょになってるんだよね。1話の時は戸惑い感があったけど、13話では幸せそうに言っている。最終回を見てから1話を見返してニヤリとさせる構成になってるんだよね。
その後の蝶と椿のイメージ映像も1話とつながっている。蜜がハサミに垂れてハサミが錆び付くんだけど、終わりが感じられて寂しくなる。


提供絵も良すぎる。13話では、いつもは卜部を見ている椿から、椿を見ている卜部に視点がシフトしていて、そういうスタンスで提供絵も描かれているのかなと思った。アイキャッチ等は総作監の金子さんが描いてるらしいけど、さすが総作監だけあってわかってるんだよなあ。


最後の最後の原作者の絵もよかった。全然いやらしさがなくて、こんなにもいろんな人に愛されてるアニメって本当に稀な気がする。


総括。
アニメ化前はアニメ化を夢見、アニメ化決定でうおおおおってなって、スタッフとキャストで期待を不安を持って、蓋を開けてみればとんでもない良アニメだったという。アニメ化成功してよかったな…。いろいろ恵まれてたな…。
一般論だけど、アニメと漫画って根本的に違うんだよね。媒体が違うからなんだけど、漫画は絵とセリフとコマ割りだけで成り立つから、声とか時間の諸々の演出は読者の脳内によって補完されて、それぞれの理想の演出で読むことができる。一方アニメは声からタイミングからBGMからすべて既定されてるから、万人受けする演出にはなり得ない。だから漫画独特の空気感にアニメは勝つことができない。でもそれは媒体が違うから仕方ないわけで、このへんを混同、いっしょくたにして一概にアニメを批判することはできないんだと思う。謎カノの場合は制作側が原作を好きでよく理解してるから、原作の空気に近い感じの雰囲気を持つことができてたと思う。それでも構図や表情はやっぱり原作には勝てないかな。それは原作のオリジナリティや漫画としての特性である構図の自由度が高いのが効いてるからだと思う。
じゃあアニメはどこで漫画に勝てばいいのか。動きや声は一つの特性だけど、それはあくまでも付加的価値であって元々漫画にないものでもってして勝ったとは言えない。そうするとストーリーやセリフで勝つしかないかな。13話の締めのセリフはその一例にして最高の例だと思う。しかも付加的な価値である中の人の演技もよかった。だから自分はこのアニメではここを最大限に評価したい。
このアニメに感謝したいのは、原作をまだ知らない人たちに知らしめてくれたこと。こんなお話が世の中にはある、少なくともまだ生息しているんだよって。そう代弁してくれたみたいで嬉しかった。
アニメスタッフの方々は本当にお疲れ様でした。ディスコミ夢使い原作編もアニメ化してください。植芝先生はこれからもがんばってください。素敵なお話を楽しみにしてます。

コメント

3か月にわたる長文お疲れ様でした。
興味深く拝見しました!
【2012/07/01 18:40】 URL | コートク #-[ 編集]
>コートク
そんなこと言われるようなたいした文章じゃないけどありがとう。あっという間の3ヶ月だったよね。
【2012/07/01 18:45】 URL | こぜっと #-[ 編集]

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